はいさい!
三線教師の宮城です。
今日はいつもと少し違う話を書かせてください。
教室の集客とか、チューニングのコツとか、そういう話じゃなくて——
私自身のこと、三線のこと、そして親のことについて。
少し長くなりますが、最後まで読んでもらえたら嬉しいです。
コンクール大賞部門にエントリーします
今年、琉球民謡のコンクールで大賞部門にエントリーすることにしました。
大賞部門というのは、コンクールの中でも最上位の部門です。
これまで積み上げてきた実力を試す舞台であり、正直に言うと、簡単に「受けよう」と決められるものではありませんでした。
でも、今年は決めました。
その背景には、一つの歌との出会いがあります。
久高友吉さんの「親想い心」という歌
きっかけは、同門の先生と雑談していた時のこと。
「親が歳をとって、親孝行しないとねぇ〜。何かできることはないかな?」
という具合で自分たちのライフステージが変化したことを何気なく話していた時のこと。やっぱり思い出す言葉は「親孝行、したい時に親はなし」という言葉でした。
せっかく三線に出会えて、色々な歌に魅了されてきたんかだら、唄三線で親に自分の気持ちを伝えられたらいいなぁ・・・。なんて考えていました。
そういうと、なぜかタイミングって重なるんですよね。
ちょうど久高友吉さんの「民謡の祭典」という発表会を見にいく機会があり衝撃を受けました。そこで久高友吉さんの奥さんが歌っている「親想い心」と言う歌に出会ったからです。
奥様の美奈子さんの伸びのある声に魅了されて、民謡の祭典が終わったら、すぐにYoutubeで久高さんの動画を検索。そして実際に久高さんの歌声を聞いた時はしびれました⚡️

久高友吉さんは、沖縄民謡界を代表する唄者のお一人。
その歌声には、いつも深みと温かさがあります。
「親想い心」を初めて聴いたとき、胸にズキンとくるものがありました。
歌の内容はこうです。
若いころ、親に対して悪口ばかり言ってしまった。
でも、それは本心じゃない。
いつかきっと、錦を飾って帰るから待っていてほしい。
そのときに、ちゃんと親孝行するから——。
聴きながら、思い当たることがたくさんありました。
親に言えなかった言葉
若いころの私は、親に対して素直じゃなかった。
「なんでそんなこと言うわけ」とか、「ほっといてよ」とか。
そういう言葉を平気で言っていた時期がありました。
今思えば、親はただ心配してくれていただけなのに。
でも今は、三線教師として教室を持ち、生徒さんに沖縄の音楽を伝える仕事をしています。
あの頃の親の心配が、今になってよくわかります。
「悪口ばかり言ってしまったけど、本心じゃないよ」
この歌詞が、そのまま自分のことのように感じました。
後悔先に立たず
先輩たちがよく言う言葉があります。
「後悔先に立たず」
親が元気なうちに、何かしてあげたい。
その気持ちは、誰もが心のどこかに持っているんじゃないかと思います。
でも人間というのは不思議なもので、「いつかやろう」「もう少し余裕ができたら」と思っているうちに、時間は過ぎていきます。
先輩たちの中には、「親に三線を聴かせてあげればよかった」と後悔している方もいます。
お父さんやお母さんが元気なうちに、演奏する姿を見せてあげられなかったと。
その話を聞くたびに、胸が痛くなります。
だから、今年やると決めた
「親が元気なうちに、何かしてあげたい」
その気持ちが、今回のコンクール挑戦の一番の動機です。
錦を飾って帰る——というのは大げさかもしれないけれど、三線を続けてきた息子が、舞台でちゃんと歌い演奏する姿を見せること。
それが、私にできる親孝行の一つだと思っています。
大賞部門は簡単じゃありません。
審査も厳しいし、緊張もする。
でも、「やらない後悔」よりも「やった結果」の方がずっといい。
先輩たちが言ってきたその言葉が、今になってリアルに胸に響いています。
三線は、気持ちを運ぶ楽器
ここで少し、三線という楽器の話をさせてください。
三線は、単に弦を弾く楽器じゃないと私は思っています。
沖縄の人たちはずっと、嬉しいときも、悲しいときも、三線を抱えて歌ってきました。
祝い事にも、仏前にも、宴にも——三線はいつも人の隣にありました。
「親想い心」のような歌が生まれたのも、誰かの本当の気持ちが言葉と音になったからです。
親への感謝を直接言葉にするのは、なぜか照れくさい。
沖縄の人間は特にそうかもしれません(笑)。
でも、歌にすると伝わる。
歌うことで、言えなかった気持ちが届く。
そういう力が、三線と沖縄民謡にはあると思っています。
生徒さんにも伝えたいこと
私の教室には、様々な理由で三線を始めた方がいます。
「沖縄が好きで」という方も、「定年後の趣味に」という方も、「子どもに沖縄文化を触れさせたくて」という方も。
そして時々、「親が三線をやっていたから」「父が沖縄出身で・・・」という方もいます。
三線を習う理由は人それぞれですが、どんな理由も大切だと思っています。
もし「親への感謝を形にしたい」という気持ちがあるなら、三線を通じてその気持ちを表現することも一つの選択肢だと思います。
発表会で一曲演奏する。
親の前でちょっとだけ弾いてみる。
それだけで、十分すぎるほど伝わるものがあります。
コンクールへ向けて、今やっていること
さて、現実的な話も少し。
大賞部門に向けて、今は毎日の稽古の時間を増やしています。
歌の細かいニュアンス、音程の正確さ、間の取り方——
大賞部門では、そういったところが審査のポイントになります。
「親想い心」は、歌詞のひとつひとつに意味があります。
ただ正確に歌うだけじゃなくて、歌詞の気持ちをちゃんと乗せて歌えるかどうか。
それが上位部門の壁だなと、今改めて感じています。
三線教師として生徒さんに「気持ちを込めて弾きましょう」と言いながら、自分自身も今まさにそれに向き合っています。
「待っていてね」
この記事を書きながら、「親想い心」の歌詞がまた頭の中で流れています。
そのうち錦を飾って帰るから、待っていてね。
コンクールの結果がどうあれ、挑戦する姿を見てもらうこと自体が、私にとっての親孝行です。ちゃんと立派な三線弾きになっているよ、という報告を、舞台の上から伝えたい。
その気持ちを胸に、本番まで精一杯稽古を積んでいきます。
応援してもらえたら嬉しいです。
三線を通じて、大切な人に気持ちを伝えませんか
最後に少しだけ、教室の話をさせてください。
三線は、気持ちを運ぶ楽器だと書きました。
「親が元気なうちに、一緒に三線を楽しみたい」
「沖縄の文化を子どもに伝えたい」
「大切な人のために、一曲弾けるようになりたい」
そんな気持ちを持っている方がいたら、ぜひ一度体験レッスンに来てください。
楽器を触ったことがなくても大丈夫です。
楽譜が読めなくても、音楽経験がなくても、まったく問題ありません。
三線を始める理由は、「弾きたい」というその気持ちだけで十分です。
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お気軽にどうぞ。
宮城きわむ三線・笛教室
琉球國民謡協会認定 民謡教師
宮城きわむ
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